平成25年2月3日第三回佐伯三の丸神楽大会が佐伯市大手町櫓門前特設会場にて盛大に開催されました。
第9代毛利藩主毛利高誠(1777-1830)が毎年2月初午に鶴屋城三の丸にて領内各社の神楽を奉納させていた当時を復興、再現した目的を実現できました。当工房は事務局として全体の企画に携わらせて頂きました。
当日は市内外から大勢の神楽ファンの集まり8神楽社計16演目が披露され多彩な舞を堪能していただけました。
神開(こうびらき) 入座(いりまし) 佐伯神楽保存会
神開は扇子と鈴を持って舞われる基本的な舞いで、清楚で優雅な舞いが特徴的。佐伯神楽で神様の降臨をお迎えするため、また神様がお降りになるその神聖な場所を清めるために最初に舞われます。入座は神開と同じ舞い方ですが、採リ物が御弊と鈴に変わります。神が降臨し弊に遷り座すところを表している言われています。
御弓(みゆみ) 赤八幡子供神楽保存会
採り物神楽の一種で、武器を採る神楽の三種類(刀、長刀、弓)のうちの一つ。いずれも邪気を祓い、場を清める働きを持つ舞です。弓矢で魔物を射抜き、退治してしまうところを表します。神社での縁起物として好まれる弓矢の矢は破魔矢として、魔性を射破る力があるとされています。
御綱(みつな) 佐伯神楽保存会
佐伯神楽及びその系統の神楽の中で代表的一番。縦横に張り巡らされた綱(晒し布)を、御神面を着けた舞い手が刀で切っていきます。これは、もともと厄災や魔性を断ち切り、汚れを払いのける神楽とされていますが、一説には、綱を八岐の大蛇に見立てて、これをスサノオノミコトが退治する場面を表しているとして親しまれています。終始本見(真剣)を持って舞われるところも他にはないこの神楽の特徴で、比較的静かで優雅な舞が多い佐伯神楽系の中にあって、勇壮で躍動感のある舞が特徴的です。
八雲払(やくもばらい) 宇目神楽保存会
悪行を働いたスサノオノミコトは高天原(たかまがはら)から追放され、出雲の国までやってきたところ、年老いた両親と娘の3人が悲しそうにすすり泣いています。わけを聞くと、父神が「私の名はアシナヅチ、妻はテナヅチ、娘はクシナダヒメと申します。私どもにはもともと8人の娘がいたのですが、毎年恐ろしいヤマタノオロチが来て一人ずつ呑込んでいってしまいました。たった一人残ったこの娘も今夜呑込まれようとしており、悲しくてなりません。」とのこと。そこで、スサノオノミコトは、酒甕を用意させ、酒に酔ったオロチを退治して、姫をめとり、八重の綾雲が立ち上がるところに八重の垣根で囲った居所を構え暮らしたという神話を表しています。
佐伯の神楽と開催の趣旨
佐伯には山間部から海岸部まで各種の神楽が点在し、典雅で清楚とされる佐伯神楽、それが変化した蒲江各地の佐伯神楽系の神楽、宮崎北浦より伝わる日向系岩戸神楽、更には勇壮で躍動的な大野系岩戸神楽など、その種類、神楽社数は他市に勝るとも劣らず多種多様です。
伝統芸能の継承と地域の活性化を図るため昨年に引き続き第三回目を迎えることができました。
関係者各位、ご来場頂いた皆様誠にありがとうございました。
拝礼
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